プロ棋士を賭けて戦う奨励会の第76回三段リーグ戦最終日、千駄ケ谷の将棋会館で2局が指されました。
既に四段昇段を決めている斉藤優希三段(28)に続き、炭崎俊毅三段(16)が見事16歳9ヶ月という若さで四段昇段を勝ち取りました。
この二人は対照的ながら、今後の活躍が非常に楽しみだと将棋ファンの間で期待が集まっています。
棋士番号345
生年月日 1996年5月18日 28歳
師匠 深浦康市九段
趣味 散歩
棋士番号346
生年月日 2008年6月2日 16歳
師匠 井上慶太九段
趣味 詰将棋
三段リーグトップクラスの勝ち星
斉藤四段は三段リーグでなんと開幕17連勝の17勝1敗という成績、これは三段リーグ史上の最高成績になります。
また、前回のリーグ戦の成績も考慮すると、良いとこ取りでなんと29勝2敗。もちろんこれもリーグ史上の最高成績です。
炭崎四段も今季の勝率は高く、成績は15勝3敗。
三段リーグの昇段ラインが12勝か13勝であることを考えると、これもまた素晴らしい成績ですね。
斉藤優希四段の三段リーグ生活が凄まじい
斉藤四段は第63回から76回まで14回リーグ戦に参加しています。
その中身は非常に濃く、どれだけの思いがあったのか想像することも出来ません。
・第71回からは負け越すと年齢制限で強制退会
・5回勝ち越し延長してからの昇段
・第71回は9勝8敗で最終戦に勝利して強制退会回避
・第74回は開幕1勝6敗から10勝1敗で強制退会回避
・第76回は17連勝で昇段
強制退会と常に隣り合わせの中で戦い昇段を果たす姿は賞賛ものですね。
プロでの戦いも非常に楽しみです。
天才炭崎俊毅四段
将棋のプロになって将来どこまで行けるのか?
その答えの一つの指標が「どれだけ早くプロになれたか」ではないでしょうか。
炭崎四段は16歳という若さでプロ棋士になりました、これは三段リーグ発足以来で6番目の速さになります。
渡辺明 15歳11ヶ月
佐々木勇気 16歳1ヶ月
阿部光留 16歳8ヶ月
屋敷伸之 16歳8ヶ月
豊島将之 16歳10ヶ月
若くしてプロになった棋士は錚々たる名が並んでいますね。
プロになった速さは今後のキャリアに直結します、炭崎四段がどこまで行けるのかも注目ポイントの一つでしょう。
実は久々に小学生名人がプロ棋士に
炭崎四段は小学5年生の頃に小学生名人のタイトルを獲得しました。
不思議なことに、小学生名人がそのままプロになるケースは珍しく、2010年の佐々木勇気九段以来の15年ぶりになります。
小学生名人は早熟だと言われてきたジンクスを跳ね飛ばした結果になりますね。
今後の活躍の予想
気の早い話ですが、炭崎四段には将来のA級棋士やタイトルホルダーと言った活躍を期待してしまいます。
藤井七冠の牙城を崩す存在になれるかどうか、今後の活躍が見ものです。
斉藤四段は28歳という年齢を考えると、今までのデータを見るとトップで活躍することは厳しいかもしれません。
しかし、斉藤四段は三段リーグの記録を更新した苦労人の実力者、データには無い活躍を考えてしまうのは私だけでしょうか?