今やスマホひとつで何でもできる時代。
SNSで誰とでも繋がれ、ブログや動画配信もワンクリックで始められる便利な世の中です。
でも、そんな今だからこそ、ふと懐かしくなるのがインターネット黎明期の話。
今回は、私が中学生の頃にメモ帳だけでホームページを作っていたあの頃の思い出を、少し振り返ってみたいと思います。
パソコンの知識なんてゼロだった。HTML?CSS?何それ?って状態からのスタート。
それでも「自分のホームページを作りたい!」という思いだけで、メモ帳にタグを必死で手打ちしていたんだから不思議です。
今思えば、あんなめんどくさい作業をよくやってたなと自分でも感心します。
spanタグで文字をカラフルにしたり、背景を画像にしたり、マウスを乗せると動くGIFを貼ったり…。
無駄にスクロールするテキストや、背景と同じ色にして隠した「秘密のリンク」なんかもよくやりましたね。
タグをメモ帳に打ち込み、ホームページが形になっていくのを見るのが純粋に楽しかった。
作ったHTMLファイルをどうやってインターネットに載せるのか、最初はさっぱり分かりませんでした。
けれど、調べていくうちに辿り着いたのがFFFTPというFTPソフト。
左に自分のパソコン、右にプロバイダから借りたホームページスペース。
ファイルをドラッグ&ドロップして、ブラウザでアドレスを入力して、自分の作ったページがふわっと表示された瞬間の感動は、今でも忘れられません。
あれはまさに、「自分がインターネットの一部になった」と感じた瞬間でした。
私が作っていたのは、好きなゲームの攻略情報をまとめた個人サイト。
誰にも頼まれてないのに、地道にスクリーンショットをペイントで加工して、攻略チャートを作って、運営日記(笑)も毎日書いて。
今思えば、完全に“好きの暴走”です。
けれど、誰も人が来てくれない。
アクセスカウンターが回るのは自分が確認した時くらい。
そこで私はやってしまいました。
2ちゃんねるの関連スレッドに、自作自演でリンクを貼るという黒歴史を…。
「このサイトに攻略情報けっこう載ってたよー」なんて、自分じゃないフリして投稿。
そして、少しだけ回るアクセスカウンターを見てほくそ笑む自分…。
今でもその時のログを見返したら床を転げまわるレベルです。
でも、当時の自分にとってはそれぐらい真剣だったんですよね。
自分の作ったものを誰かに見てほしかった。ただそれだけ。
毎日のようにメモ帳を開いていたあの頃。
でも、気がつけば更新は止まり、FFFTPも起動しなくなりました。
なぜかは分かりません。
勉強や部活が忙しくなったせいかもしれない、好きだった女の子を追っかけてたからような気もする。
でも不思議と、「やめよう」と思った記憶がないんですよね。
自然と、フェードアウトしていた。
まるで楽しい夢を見ていて、目が覚めたら違う世界になっていた、そんな感覚です。
最近、昔のパソコンのデータを整理していたら、当時作っていたHTMLファイルが出てきました。
ブラウザで開いてみた瞬間、懐かしさと黒歴史と、いろんな感情が一気に押し寄せてきて、思わずバタバタしてしまいました。
でもそのページを見ながら、「よくこんなの作ってたな」と過去の自分にちょっとだけ感心したりもして。
あの頃、自分の力で何かを形にしたくて必死だったあの情熱。
アドセンスの収益なんて考えもしなかった時代。
あの体験が、今のブログ活動にもちゃんと繋がってる気がします。
インターネット黎明期。あの混沌とした、でもどこか優しかった時代に、自分のホームページを持てたこと。
その喜びと、ちょっと恥ずかしい思い出は、きっと一生忘れません。
そして今もこうして、文章を書き続けていられるのは、 あの“楽しかったメモ帳時代”の延長線上にいるからなのかもしれません。